解法のパターンの理解とそのあてはめ練習
確実な計算力と図形感覚が身に付いたら、次にすべきことは、解法のパターンの理解と、そのあてはめ練習です。
(あくまで、算数が苦手な人に向けてのアドバイスです。もちろん、計算練習や、図形感覚の習得と並行させてやってもかまいません。)
学年によってはもっと、基本的な事柄に力を入れないといけませんが、5年、6年では、パターン練習がしっかりできていることが合格への近道です。
パターン練習に力を入れる
ひとつ例をあげましょう。
整数の性質の問題です。
「8で割っても12で割っても3余る、100に最も近い整数を求めなさい。」
解法のパターン的には次のように考えます。
8で割っても12で割っても3余る
↓
8と12のどちらでも割り切れる数より3大きい
↓
8と12の公倍数+3
↓
24×□+3
ここまでできたら、□に4を入れて、24×4+3=99が正解だとわかります。
こういったパターンを一つ一つきちんと理解し、身に着けていくことです。
難問でもその多くは、この基本パターンが組み合わされてできています。
(もちろん、それだけでは解けない問題も多いですが、ここをちゃんと押さえていくだけで解ける問題の数は飛躍的に増えます)
どんな教材で練習するか?
市販の教材で、最低限押さえないといけないパターンを練習するには、「算数ベストチェック 」が便利でしょう。
ただ、この教材の一番の問題点は、演習量が少なすぎること。もう少し演習量があれば、と思います。
もう少しつっこんでやる場合には、「応用自在算数 」あたりがいいかもしれません。
ただ、「応用自在」は、「網羅的」過ぎて、一つ一つの論点の扱いが薄い、ポイントが分かりづらいという点がネックです。算数の得意な人にはこれでいいのですが、算数が苦手な人には向かないと思います。また、かなり高度な問題まで扱っていますから、取り扱い注意です。
(算数が苦手な人で、本格的にこの教材に取り組もうと思ったら、つきっきりで見てやる必要があります。)
同じような参考書に「自由自在」というのもありますが、内容的にはあまりお勧めできません。
最近は、いろいろな参考書なり、問題集なりが出回っています。大きな書店で、実際に手にとって見て、自分(わが子)に最も適したものを選択すればいいでしょう。
ともかく、基本パターンを徹底的に攻略すること。これが次のステップにはどうしても必要です。
5年の後半から6年の夏休みにかけて、基本パターンが「攻略できた!」と思ったら、次に述べる、入試問題を使った実戦的な練習に入る前に、「応用自在 計算問題の特訓」あたりでパターンの攻略に磨きをかけておくのもいいでしょう。問題数は多いですが、一つ一つしっかり考え、練習をつむことで、実力の飛躍的な向上が望めます。
こういった練習には、毎日の努力が不可欠です。
できるだけしっかりした計画を立てて、ひとつひとつきちんとこなしていきましょう。
親がスケジュールの管理をしてあげることが望ましいので、毎日の始まりと終わりに進捗状況をチェックしてください。
大手の進学塾に通ているなら、こういった基本パターンについては、5年生のテキストに順に取り上げられています。(日能研のテキストのように、基本パターンが分かりにくい作りになっているテキストもあります。)6年の授業を受け、順に6年のテキストをこなしていくといいのですが、何しろ、徐々に単元別に進められていくので、公開模試などの大きな試験には間に合わないかもしれません。
ですから、できれば自分で時間を確保し、先に書いた「5年のテキストを使っての復習」を順にやっていきましょう。
ですが、こういった管理も含めて、プロの家庭教師に任せてしまうのも手です。
東京近辺でお住まいなら、下にある「一橋セイシン会」の家庭教師はいかがでしょう?